休日の夕方にジョギングをするのが、私の大切な日課です。 今日もいつものように走り出すと、目の前には息を呑むような絶景が広がっていました。
燃えるような夕映えの中にくっきりと浮かび上がる富士山のシルエット。 そして、街には少しずつ灯り始めたビルのネオン。 そのコントラストがあまりに美しくて、思わず足を止めてスマホ撮影をしていました。
「あそこに見えるのは、富士山ですか?」
夢中で撮影していると、通りがかりの男性から声をかけられました。
「あそこに見えるのは、富士山ですか?」
一瞬、私の頭の中には(えっ、どう見ても富士山でしょ……!)という言葉がよぎりましたが(笑)、すぐに「そうですね、富士山ですよ」と笑顔で答えました。
するとその方は、「ああ、やっぱり。ここからだとこんなに綺麗に見えるんですね……」としみじみと感動されている様子。その横顔を見ていたら、なんだか私まで嬉しい気持ちになってきました。
持ち前の「サービス精神」が発動
せっかくの出会いです。ただ「そうです」で終わらせるのも勿体ないなと思い、私の「おせっかい(自称:サービス精神)」が顔を出しました。
「あっちの高台にある公園、知っていますか? あそこからだともっと視界が開けていて、ここよりもずっと綺麗に見えるんですよ」
以前訪れたとき、あまりの美しさに感動した秘密のスポットを教えてあげたんです。
「そうですか!」と少し驚いたような、嬉しそうな顔をしたおじさんは、「行ってみます」と言い残し、夕焼けに染まる富士山の方角へゆっくりと歩き出していきました。
何気ない会話が、心をご機嫌にする
その後、私は再びジョギングを再開しました。
特別な出来事があったわけではありません。でも、見ず知らずの人と交わした「いい景色ですね」というだけの、ほんの数十秒のやり取り。
「こういう何気ない会話が、日常を豊かにしてくれるんだよな」
そんなことを考えながら走る帰り道は、いつもよりずっと足取りが軽く、すがすがしい気持ちでいっぱいでした。
街の景色も、人の優しさも、意外とすぐそばにあるものですね。 明日からもまた、いい気分で走れそうです。




